クラウドファンディング
クラウドファンディング(クラファン)とは、英語のクラウド(群衆)とファンディング(資金調達)を組み合わせた用語で、なんらかの目的を掲げて資金を募る人に対し、不特定多数の人々がインターネットを経由して資金提供する仕組みだ。
国内では2011年の東日本大震災をきっかけにクラファンの認知度が上がり、さらにコロナ禍で利用が広がった。
矢野経済研究所の調査によると、15年度に379億1700万円だった市場規模は、コロナ禍が直撃した20年度に5倍となる1841億7700万円に達し、過去最高を記録した。
コロナ禍の影響が深刻な医療機関や飲食店と言った業種を中心に活用が進み、金銭的に余裕のある人からは支援の申し出が相次いだ。
資金の集め方にはいくつかのパターンがあり、出資者に対して商品やサービスなどの見返り(リターン)を提供する「購入型」と、出資者に対してリターン不要な「寄付型」の2つが主流となっている。
資金の集め方によって収益計上のタイミングなど会計処理が変わる。
クラファン大手のキャンプファイヤーによると、コロナ禍を理由に資金を募った事業者の平均調達額は約200万円で、数千万円を集めるケースもある。
6月には世界遺産の法隆寺がコロナ禍で参拝客が激減したことを理由に維持管理や警備などに充てる費用を集める目的でクラファンを活用し、約1週間で1億円を集めて話題になった。
この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。
税理士 冨岡弘文