成年年齢
成年年齢とは、民法上、単独で法律行為が行えるようになる年齢を指す。
日本では1876(明治9)年の太政官布告以来20歳と定められてきたが、約140年ぶりに見直され、4月1日からは18歳に引き下げられている。
18歳、19歳の人も民法上の「成年」となり、親権者の同意がなくても単独で有効な契約を結ぶことができるようになった。
具体的には、アパート・マンションの賃借やクレジットカードの作成、ローンの借り入れ、携帯電話の購入などが可能だ。
権利が拡大する一方、親の同意がない契約を取り消す「未成年者取消権」の行使が不可能になるというリスクがある。
税制上のメリットとしては、成人年齢以上の子や孫が贈与税の優遇を受けられる「特例税率」や、贈与額2500万円まで納税を繰り延べられる「相続時精算課税」の適用開始年齢が早まり、相続の生前対策に2年前倒しで着手できるようになる。
一方デメリットとしては、成人年齢までの年数1年につき10万円が控除できる相続税の「未成年者控除」で控除可能な上限額が2年分少なくなる。
なお、競馬や競輪、オートレースといった公営ギャンブルや大型・中型自動車運転免許の取得、飲酒、喫煙などは個別の法律で年齢が定められているため、成年年齢の引き下げは影響せず、対象は20歳以上のままとなっている。
※この記事は「税理士新聞」の許可を頂き転載しています。
税理士 冨岡弘文