◆「米国の交渉撤退は、OECDに加盟する全ての国に対する挑発だ」(6月18日、ルメール仏経済・財務相)――出演したラジオ番組で。グーグルやアップルといった多国籍IT企業に対する新たな課税案を巡る交渉から米国が撤退したことに対して、「OECDの全てのパートナーに対する挑発行為だ」と強い口調で批判した。国際合意で作る課税案が「合意まであと数センチメートルのところまで来ていた」と述べ、「欧州に4億5000万人の顧客を持つデジタル大企業が税金を払わないことは受け入れられない」として、米国の交渉姿勢にかかわらず、年内に新税を導入する方針を強調した。スペイン、英国、イタリアなども歩調を合わせ、スペインの政府報道官は「他国のいかなるタイプの脅迫も欧州は受け入れない」とコメントした。
◆「投票買収の原資が税金というのは理解を得られない」(6月25日、石破茂・元自民党幹事長)――派閥会合で。前法相の河井克行容疑者と妻・案里容疑者が、党から受け取った現金1億5千万円を参院選前に町議らに渡していた疑惑を受け、「事実だとすれば、買収の原資は自民党員が納めてくれた党費であり、(税金などからの)政党交付金ということになる」と指摘し、「それを買収に使って、党員を増やしてちょうだいと言っても理解を得られない」と批判した。この問題について菅義偉官房長官は、「自民党内の話であり、私自身は詳細を承知していないので、政府としてコメントすべきでない」と言葉を濁している。
◆「消費税は事実上の外形標準課税」(6月26日、安藤裕衆院議員)――自身のTwitterで。2019年の消費税の転嫁拒否法違反が、前年から大幅に増加したことに対して、「これは氷山の一角に過ぎない。消費税は価格に転嫁できていないのだ」と投稿した。さらに「転嫁できない部分は事業者が負担している。泣かされているのは立場の弱い中小企業。結果的に消費税が上がるほど中小企業の利益は圧迫される」と述べ、取引の中で弱い立場にある下請業者や中小企業が増税の負担を引き受けていると指摘した。安藤氏は「消費税は事実の外形標準課税」と、利益がなくても納めなくてはいけない税金に例えて現在の消費税制度を批判した。
~この記事は 「税理士新聞」から許可を頂いて転載しています~
第1668号(6月25日号)