冨岡会計ブログ(セミナー情報・メディア掲載・税務コラム)

税理士所感 民主主義を育てる選挙制度を

事務所の顧問先様へ「お知らせ」を発行しています。
冒頭の私の雑多な所感を引用します。

お知らせNO.127                        令和3年11月5日

税理士 冨岡弘文

税理士会の公益活動の一環で、租税教室の講師を長年担当しています。
小学校での授業が最も多いのですが、中学・高校でもそれぞれの年齢に合わせた内容を工夫しています。

税理士会以外にも講師を派遣する団体はありますが、多くがアニメビデオを使って税金の必要性を説明するのに対して、税理士会は「課税の公平」など一歩踏み込んだ内容です。

特に私が力を入れているのは「権利者教育」です。
すなわち、すべての税は法律で決めることが憲法に規定されている。
法律を決めるのは国会で、国会議員を決めるのは我々国民。
子供たちに、「あと数年で選挙権が貰えるね、日本を支える税金について、どんな意見が良いかを考えて投票しようね」と話をすると、正義感に溢れる若者たちは真剣に聞き入ってくれます。

衆議院議員選挙が終わりました。
終わってみれば自民党の単独過半数という結果ですが、投票率の低さに助けられたとか。
一方、野党側の取り組みも相手の揚げ足取りと、財政的な裏付けの薄い給付と減税に終始して、建設的な提言の乏しさが残念でした。

そして、子供たちに「選挙に行こう」と呼び掛けている立場としては、つくづく小選挙区制は止めて欲しいと感じます。
候補者を選ぼうにも選択肢が少なすぎるのです。

選挙に係る「カネ」が少なくて済むなど小選挙区制の利点は多いのかもしれませんが、新人が立候補しにくい仕組みでもあるようです。
私の家にはそれぞれの候補者からハガキなどが届きましたが、ネットの時代にはカネの掛からない選挙運動の手段も多いはず。

情けないほどに低い投票率に慣れてしまった日本では、民主主義が育たないのではないかと危惧します。

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